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10月19日イベント "Make the Right Real", Good Practices by RI AP河村副理事長出席

2022-11-02 15:47:45  国際

10月19日に「High-level Intergovernmental Meeting on the Final Review of the Asian and Pacific Decade of Persons with Disabilities, 2013-2022」 のサイドイベントとして、「"Make the Right Real", Good Practices by RI AP」 が開催され、そのイベントの内容を要約しました。

<要約>
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モデレーターのDr Joseph Kwan氏(RI Deputy Vice-President, アジア太平洋地域)
Dr Joseph Kwan氏は、今年は記念すべき3つの重要なイベントがあり、1つ目はアジア太平洋障害者の10年(2013-2022)、2つ目はUN ESCAPの75周年記念、3つ目はRehabilitation International(RI・国際リハビリテーション協会)が1922年に設立し、2022年で100周年を迎えた点であることを強調した。また、RIの100周年の節目としてのイベントは世界中で1年間にわたり開催され、2023年5月に北京でも開催予定であると述べた。

Ms Yeja Lee 氏(RI Vice-President, アジア太平洋地域)
Ms Yeja Lee 氏は、開会の挨拶として、サイドイベントの開催にあたり、UN ESCAPに謝辞を送り、RIの設立当初より障害者の声なき声の代弁者として、今後も障害者の権利の最前線にたつパイオニアとして活動することを述べた。さらに、UN ESCAPとRIの活動は、共通の目標に向かって活動する良きパートナとして、今後も一緒に活動を続けていくと強調した。また、サイドイベントの準備に関わった関係者の方々に特別な感謝の意を表した。 。

Ms Teuta Rexhepi氏((RI Secretary-General) with Representative, RI President’s Office)
Ms Teuta Rexhepi氏より、アジア太平洋地域のためのRI世界障害開発基金(GDDF)に関する発表があった。 主な活動分野として、教育、雇用、支援器具、アクセシビリティ、データ収集、研究等があげられ、各国で実施した活動が紹介された。マカオでは、アクセシブルな情報、コミュニケーション技術、ウェブベースの職業訓練に関するワークショップが実施され、ベトナムでは、障害のある若者への職業訓練と教育に関するプロジェクトが実施された。さらに、障害を持つ女性や少女のエンパワーメントとインクルージョンを支援・促進に関するプロジェクトがインドで実施され、ネパールでは、障害を持つ子どもたちのインクルーシブ教育に関するプロジェクトが実施された。また、コロナ禍におけるプロジェクトの紹介もあった。

Mr Mathieu Simard 氏(RI Deputy Vice-President, 北米地域)
Mr Mathieu Simard 氏より、RI 100周年宣言に関する発表があった。RI設立当初から今日までにおける活動の変遷を中心に紹介され、今後の活動における提言があった。さらに、RIの活動に関する意見や提案も随時受け付けている旨も伝えられた。

河村 宏氏(RI ICTA Chair)
河村 宏氏は、障害者も含めた防災活動とその先の取り組みに関する発表を行った。

20年前に沖縄で開催されたG8 サミットを発端に、情報格差の解消について言及され、デジタルの可能性を広げるため、東京で開催された国連世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society : WSIS)の準備会議において、河村氏とモンティエン議員(当時は、議員でなかった)、2人だけで障害者コーカス を設立したと語った。
この障害者コーカスを拡大し、WSIS全体を通して、アクセシビリティをサポートするための公式なユニットが結成され、2回の「情報社会における障害者のグローバル・フォーラム」 を開催し、成果文書では、障害とユニバーサルデザインが言及した最初の国連サミットであることを強調した。
これらの成果が、モンティエン議員により2006年に成立した障害者の権利に関する条約の制定のプロセスにつながり、障害者権利条約の第11条 では、「締約国に対し、自然災害、武力紛争およびその他の人道上の緊急事態に由来する危険のある状況における、障害のある人の保護および安全を確保することを義務付けている」と記載があることを示した。しかし、残念ながら、現在のところ、災害時の障害者の死亡率は障害がない人と比べて高いため、この条約は実現されていないと訴えた。ESCAPは、RI、日本財団とともに、第3回国連防災世界会議の準備 のために、2014年に再び 障害者も参加する防災アジア太平洋会議(仙台会議)を 開催し、仙台会議では、「障害インクルーシブな災害リスク軽減は、障害のある人々のレジリエンス(回復力)と生存可能性を最大限に高める」が、重要なメッセージとして伝えられた。このメッセージにより、地域社会に関わる全ての人が被害や損失を最小限にすることは、障害者参加型の災害リスク軽減が非常に重要であり、すべての人が回復力と生存の可能性を高めることとなる。日本の津波災害含むアジア太平洋地域の大規模な自然災害から学ぶ教訓に基づく重要なメッセージでもあると語った。
会議に出席したRIの同僚たちと原案を作成し、当時のオーストラリア出身の議長からも強く支持してもらった。その結果、障害者グループが正式な組織として受け入れられた。そうして、第3回国連防災世界会議に参加する人のためにアクセシビリティガイドができた。
第3回国連防災世界会議では、障害のある人が200人以上参加され、精神障害を持つ方を含む浦河の市民たちが津波災害の様子をロールプレイングで発表した。この会議で書かれた成果文書には、ステークホルダーの役割の中で、障害者の役割が非常に重要であると書かれていることを示した。
この会議後、主要グループは再編され、MGoS(Major Groups and other Stakeholders)では、障害者グループという形で参加できることが含まれた新しい枠組みとなったことを訴えた。
SDGsを遂行するために、障害者グループを含む市民社会グループは常に、非常に重要な役割を担っていることを言及し、この成果は、ESCAPと地域のステークホルダーの大きな貢献の1つだと思うと述べた。
次に、「thinking globally and acting locally(グローバルに考え、ローカルに行動する)」について、個人または各コミュニティの経験から教訓を得ることができることを強調したいとして説明した。
浦河べてるでのインクルーシブな災害リスク軽減に向けた活動は、いち早く2005年5月に、DAISYコンソーシアムやWorld Wide Webコンソーシアム(W3C)を中心とした国際研究開発グループと町役場の関係者が一堂に会する大規模な町役場会議を開催したことから始まったことを述べた。
実際に、重度の精神障害を持つ人たちに自分自身の写真や声をマニュアルに反映させ、対象者のニーズと要件を特別に考慮した津波避難マニュアルを開発したと話した。そして、このマニュアルを基に、夜中や、冬の寒さが厳しい中でも避難訓練を行って、さらに、この活動から得た教訓をアジア太平洋地域の仲間と共有されたことを伝えた。
2011年、地元の街に大規模な津波に襲われた時、彼らが、率先避難者となり、住民も巻き込みながら、訓練同様に行動したため、災害危険区域に住むすべての住民が、安全な場所に避難でき、その結果、人的な被害はなかったと強調した。
今でも、夜間を含め年に3,4回避難訓練を続けていると写真を示して伝えた。

今までの経験に基づき、2030年までにESCAP地域に対して非常にシンプルな勧告をしたいと述べ、「地域社会の誰もが避難訓練に参加し、誰も置き去りにしない」と訴えた。

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注釈

参考資料

  1. 障害者も参加するポスト2015防災戦略の実現に向けて
    https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/world/2015dp/2015dp.html(アクセス2022/11/1)
  2. 国連世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society : WSIS)とその後の動き
    https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prompt/wsis.html(アクセス2022/11/1)


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