ATDO(支援技術開発機構)は、障害者や高齢者の情報へのアクセスとコミュニケーションに関わる分野における、支援技術とユニバーサルデザインの開発、またそれを活用した支援を行うために2006年4月に発足した団体です。
障害者や高齢者の生活の質の向上に役立つ情報支援機器の開発やサポート・研修、OJT(就労したままでの訓練)、トレーナーの養成・派遣を行うとともに、情報コミュニケーション分野において、ユニバーサルデザインの推進及びアクセシビリティに関する評価・助言を行うことを目的としています。具体的には、障害者や高齢者がコンピュータやソフトウェアの操作、データ作成、インターネットでの情報検索を快適に行うために必要な機器の開発およびサポート、情報コミュニケーション技術を用いた障害者の就労、就学、生活支援、高齢者の生活支援、すべての人々に使いやすいデザインの推進などを行います。
現在の主な活動は、DAISYやアクセシブルなEPUB3のリッチコンテンツの普及と研究・開発、点字の携帯情報端末を活用した盲ろう者の情報支援等です。
メンバーは、国内外での開発に関わる経験を生かして、実際に役立つ支援を障害のある人たちを中心に進め、多様な人々が生き生きと暮らせる社会の構築をめざします。
ATDOは、以下の団体の会員です。
日本DAISYコンソーシアムの事務局業務をATDOが担っています。また、日本DAISYコンソーシアムの代表である河村宏ATDO副理事長は、DAISYコンソーシアムの役員として活動に参加しています。
2021年5月
理事長 山内 繁
特定非営利活動法人支援技術開発機構(ATDO)は、障害者や高齢者の情報とコミュニケーションに関わる分野における、アクセシブルな支援システム・支援機器の開発と活用の普及のために2006年4月に発足いたしました。
ATDOは、日本DAISYコンソーシアムの会員として、DAISYのより広範で深化した開発と標準化に取り組んでまいります。さらに、アクセシブルなICTの国内外での普及を通じて、障害者権利条約を基本とするインクルーシブな社会の実現を目指しております。
これまで、アクセシブルなICTの開発、その途上国への転移と普及、インクルーシブ教育への応用、障害と災害などを課題として、それに関連した調査・研究、教育・トレーニングならびにその普及の支援において、国内外で成果を上げてまいりました。とりわけ、中南米・中東地域の諸国におけるアクセシブルなICTの開発並びに普及は、プロジェクト終了後も各国で自律的に発展を続けることが期待されております。
今後とも、アクセシブルでインクルーシブな社会を構築するためのATDOの活動に、皆さまのご理解とご支援およびご協力をお願いいたします。
ATDOは、定款で「電子情報分野において、すべての人々にとって使いやすく、分かりやすいユニバーサルデザインの推進及びアクセシビリティに関する評価・助言を行うことを目的とする」ことを掲げています。
「支援技術開発」を団体名とするATDOがどのようにユニバーサルデザインを推進するのかについて良く質問を受けますので、ATDOが進めている支援技術とユニバーサルデザインの研究開発について以下に説明します。
支援技術とユニバーサルデザインの関係について、国際的に議論を重ねた成果を要約しているのが、2006年に制定された障害者権利条約の第2条の以下の一節です。
ユニバーサルデザインとは、調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲で全ての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計をいう。ユニバーサルデザインは、特定の障害者の集団のための補装具が必要な場合には、これを排除するものではない。(日本政府訳)
「製品、環境、計画及びサービス」の幅広い話をしているときに「補装具」という訳語が出てくるので、これが身体障害だけでなく精神障害および知的障害を含むすべての障害に関するユニバーサルデザインの話であることがわかりにくくなっています。英語原文では「補装具」のところは” assistive devices”となっています。今であれば様々な障害のある人がそれぞれの使い方をするスマホのアプリやサービスをイメージすると、よりわかりやすいのではないでしょうか?同じスマホやインターネット上のサービスを、スマホのテキスト読み上げ機能や字幕をonまたはoffにして、障害のある人も無い人も一緒に使っています。
障害者権利条約はその前文で「障害が発展する概念である」と言っています。これは、「製品、環境、計画及びサービス」の発展のさせ方次第で、それまでは「調整や特別な設計」が必要と思われていた障害のある人にも、何も特別のことをしなくても使える「製品、環境、計画及びサービス」を増やすことができるという確信に基づく宣言です。
ATDOを設立した人々は、ユニバーサルデザインという考え方を国連の世界情報社会サミットに初めて取り入れさせるために大きな役割を果たしました。その成果は、障害者権利条約に大きな影響を与えています。
このユニバーサルデザインの開発と普及が情報アクセスの格差を最終的に解決するという確信を共有する世界中の人々と連携して、ATDOは一人一人の障害のある人の固有のニーズに向き合い、そのニーズを満たすための技術開発と国際標準化活動を行っています。
その際に、常に第2条のユニバーサルデザインの定義を確認することによって、グローバルにユニバーサルデザインの製品、サービス、設備及び施設の利用可能性及び使用を促進することとしています。
各カテゴリーの最新ニュースが3つ分この下に列挙されます。
2024-02-20 15:50:08 会議・講習等報告
障害者支援団体ヴィレッジ・オブ・ホープの協力により、エジプトAmreyaで2月7日に開催したDAISY読書会について、先の記事とは別のスタッフによる英文記事を投稿しました。以下リンクからご覧ください。
2024-02-15 11:43:41 会議・講習等報告
1月に開催した、読書に困難を抱える子どもたちに向けたDAISY読書体験会(前回のレポートはこちら)が好評だったことを受けて、引き続き障害者支援団体ヴィレッジ・オブ・ホープの協力により、エジプトAmreyaで、2月7日にDAISY読書体験会を開催しました。参加スタッフからのレポートをご紹介します。
ビレッジオブホープ(VOH)での第2回DAISY本読書体験会(2024年2月6日)
開催日時:2024年2月6日(火)10:30~13:00
開催場所:ビレッジオブホープの Amreya 支所
参加生徒数:12名(7歳~11歳)女7名 男5名
今回、第2回目となるビレッジオブホープでのワークショップを開催しました。
今回の開催場所は、アレキサンドリア市郊外のビレッジオブホープAmreya 支所です。12名の子供たちにDAISY図書の体験会を開催しました。ビレッジオブホープ代表で国会議員のNadaさんも参観してくださいました。
7歳から11歳までの子供たちに2冊のDAISY本を読んでもらう体験会でした。1冊目は時間を知るための冒険に出るお話「ハーテムの靴それともシンデレラの靴」、2冊目はピザの作り方を通して持続可能な農業を学べる「不思議なピザの惑星」です。
まず最初に前回と同じようにお互いの名前を分かってもらうためのゲームをしました。最初の子供が自分の名前を言い、次の子供が最初の子供、自分の名前を言っていくゲームです。最後の子供は、全員の名前を言うことになります。どんどん増えていく名前に戸惑う子供もいましたが、みんなが協力してなんとか12番目の子供まですべて名前を繰り返すことができました。
その後、DAISY本とは何か、再生アプリの使い方などを教えてもらい、2人1組でタブレットを使用し、初めてのDAISY本を読みました。タブレットの使い方は、ほとんどの子供がすぐに理解でき、2人で読み進めることができていました。
みんなが読み終えたあと、読んだ本の内容について2組のグループに分かれて質問に答えていきました。その後、どちらのグループがより理解できているか、発表しました。どちらも同じくらい理解できており、同点でした。
次の本を読む前に、簡単なゲームをしました。みんなが輪になって「リンゴ、ミカン、バナナ」の言葉に合わせ、飛んだり、一歩進んだり、退いたりなど。こちらのゲームも子供たちは、楽しみながら参加できていました。
ゲーム後に2冊目の本を先ほどの2人1組で読み進め、みんなが読めたところで再度2つの組に分かれて質問に答えました。今回は、0.5ポイント差で一方の組が勝ちました。勝った組の子たちにみんなで拍手でお祝いし、今日の読書体験会は終了しました。
最後、ATDOスタッフが子供たちにどんな本を読みたいか、興味のあるテーマは何か、印刷された本とDAISY図書のどちらが好みかなど聞き取りました。勉強での困難を抱えている子供もおり、「DAISY図書でアラビア語の本を読むのは、印刷の本よりも簡単だ」ということや、「ディスカバリーの教科(科学、数学、アラビア語などさまざまな学問分野を統合した科目)の本を読むのが難しい」と教えてくれた子供もいました。
多くの子供が今回のDAISY図書体験会を楽しめました。本を読むこととゲームが楽しかったようです。
「今後もビレッジオブホープでの体験会を続けていきたい」と、ビレッジオブホープのスタッフの方から要望がありました。月に1回など、開催したいとのことです。今後もビレッジオブホープのスタッフの方と連絡を取り合いながら、続けていきたいです。
以上
報告者:Y.D
何かお気づきの点がございましたら、お問合せフォームまでご連絡ください。
K.K
2024-01-24 11:38:22 会議・講習等報告
エジプト在住スタッフにより、2024年1月4日に、アレキサンドリアの障害者支援団体Village of Hope(アラビア語Facebookページ:https://www.facebook.com/alamalvillage/about/)で、DAISY図書の読書体験会が行われました。参加スタッフからのレポートをご紹介します。
※2024年1月29日 読書体験会で使用したタイトルのご紹介を追記しました。
Village of HopeでのDAISY図書、読書体験会報告
2024年1月4日にVillage of Hopeの協力により、読書に困難を抱えている子供たちを対象に、DRR(Disaster Risk Reduction:災害リスク軽減)に関する短いストーリーを読んでもらうDAISY図書の読書体験会を開催しました。
表紙:ナーデルとレイラ 災害時の冒険 |
開催場所は、アレキサンドリアにあるVillage of Hopeのクレオパトラ支部で12:30から開催しました。参加者は、13名の小学生低学年から高学年までの子供たちです。今回が初めてDAISY図書を体験する子供たちでした。
写真1:体験会の内容説明 |
まず、最初に子供たちがお互いを知るための自己紹介ゲームとして、雪合戦ゲームを行いました。このゲームは、自分の名前の最初の文字、今日着ている服の色、将来なりたい職業を書いた紙を丸めて投げ合い、最後に自分の近くに落ちている紙のボールを一人1個拾って誰のボールか当てっこするというゲームです。お互いに名前を知らない子供もいたため、このゲームで誰かを当てるゲームは、場を和ませ、子供たちの名前を確認、知る機会になっていました。子供たちも「誰のボールか?」と楽しくゲームをしていました。
写真2:雪合戦ゲームの準備 |
写真3:雪合戦のボールを取り合う子供たち |
次に、子供たちにこれから使うタブレットで使用するEasyReaderの使い方、これから読む本についてどこに注意して読むか、読書後に2つのグループにわかれクイズをすることなどを説明後、2名1組になりタブレットを使用し、DRRに関する短いストーリを読んでもらいました。
子供たちは、すぐにタブレットの使用方法は理解でき、自分たちで読み進めることができていました。
写真4:DAISY図書を読むタブレットの使い方 |
写真5、6:DAISY図書を読んでいる様子 |
すべての子供たちが読み終えた後、2つのグループに分かれ、物語の内容を理解できているか、いくつかの質問に答えていきました。2つのグループともよく理解できていました。年齢の高い子供は、物語の内容を覚えていたようで回答が早かったです。年齢の低い子供も積極的な子供は、どんどん発言していました。大人しい子供は、発言はありませんでしたが、質問の内容は分かりますか?と尋ねたところ「分かる」と答えていました。(細かく確認していないので、ほんとうに理解ができているかは、不明です。)
プログラムの最後に今日の読書体験会について、子供たちに感想を聞きました。多くの子供たちが、「楽しかった。」「もっと他の本を読んでみたい」など、それぞれに感想を言っていました。
見学していた先生にも感想を聞いたところ、今まで文字の書き方を教えてくれるものは、見たことがあり体験したことがあるが、DAISY図書については、「初めて見た」「ハイライトで朗読している文章を示してくれるのは良い」「音声があるのが良い」「一人でも本が読める」などの感想をもらいました。
体験会後にVillage of Hopeの担当者の方から、今回のイベントで子供たちがとても楽しく、積極的に参加していたので、続けて開催してほしいと要望がありました。今後、どのように継続していくのか、Village of Hope担当者とATDOアレキサンドリアスタッフが話し合い開催方法を決めていくことになりました。
写真7:体験会に参加してくれた子供たちと一緒に |
報告者:Y.D
何かお気づきの点がございましたら、お問合せフォームまでご連絡ください。
K.K
2022-10-25 10:51:01 DAISY/EPUB情報
【JDC技術委員会】ページに、
「HTMLと異なる順番でメディアオーバーレイズが付与されたEPUBの無限ループ問題と対応方法」に関するレポートをアップしました。
https://www.normanet.ne.jp/~jdc/tech/EPUBloopproblem/index.html
メディアオーバーレイズが付与されたEPUBでは、漢文や表の縦読み(縦方向のセルを順に読み上げる)のように、本文の読み上げ順序がHTMLの出現順と異なる場合があります。
レポートでは、読み上げ時に無限ループが発生する条件と対応方法などを、まとめています。
M.A
2022-09-28 12:21:09 DAISY/EPUB情報
JDC技術委員会の方で、EPUBのコンテンツにおける表読み上げ検証をいたしました。
HTMLや、Excelコンテンツ内の表読み上げの現状などと比較し、より読みやすい表の形式についてレポートという形でまとめました。
下記リンクです。
https://www.normanet.ne.jp/~jdc/tech/ReadingSystem/index.html
2022-08-22 14:42:41 DAISY/EPUB情報
2022年8月22日付けの経済産業省の下記リンクのニュースリリースページで、「電子書籍フォーマットEPUBのアクセシビリティに関するJIS規格(JIS X 23761))」が公表されました。
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220822001/20220822001.html
電子書籍が備えるべきアクセシビリティを示す日本標準規格(JIS X 23761)の制定によって、視覚障害や発達障害などの様々な理由によりこれまで出版物を読めなかった方々の読書する機会が広がることが期待されます。
今回のJIS X 23761規格の背景と内容、そして期待される効果などを記した資料(https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220822001/20220822001-2.pdf)も同時に経産省が発表しています。
是非、ご一読いただき、だれもが出版物を読める社会となるよう、EPUBのアクセシビリティに関するJISの普及にご協力いただければ幸いです。
2023-10-12 22:31:41 ソフトウェア
MSWordにWordToEPUBをアドインすることで、EPUB出力ができます。
見出しのついたWordを準備すれば、Save as DAISYと同じような手順で、見出しナビゲーションができるEPUBを、簡単に出力することができます。
WordToEPUBのインストール用のファイルは、DAISYコンソーシアムのサイトの下記リンクより、ダウンロードできます。
https://daisy.org/activities/software/wordtoepub/installing-wordtoepub/
製作方法
1、 まず、見出しスタイルを付けたWordを準備します。
見出しにあたるテキストを選択して、MSWordの「ホーム」の「スタイル」で、該当する見出しスタイルを適用します。
見出しがついたWordのサンプルを下記リンクに置きました。
2、MSWordで作成したWordを保存できたら、「ホーム」右側にある「WordToEPUB」のアイコンを押します。
ない場合は、一度ファイルを閉じて、保存されているフォルダーの中にあるファイル名を右クリックして、「Convert with WordToEPUB」をクリックします。
3、「保存先フォルダー」を押して、保存先のフォルダーを選択します。「詳細設定」をクリックして、書誌情報を設定します。
4、「OK」を押すと、EPUBの作成が開始されます
5,EPUB作成が完了すると、下図のウィンドウが表示され、「EPUBを表示」でデフォルトに設定しているEPUBソフトで開けます。
これで完成です!
EPUBの閲覧システムの例(以下のものはすべて無料で使用できます)
Thorium Reader:https://www.atdo.jp/1396#playback_thr
DAISY/EPUB再生ソフト。合成音声による読み上げと、見出しやセンテンスのナビゲーションができます。
EasyReader: https://www.atdo.jp/1396#playback_winer
DAISY/EPUB再生ソフト。合成音声での読み上げと、見出しやセンテンスのナビゲーションができます。
Bibi: https://www.atdo.jp/1396#playback_bibi
ブラウザで開くことのできるEPUB再生アプリです。Microsoft Edgeのスクリーンリーダーで読み上げできます。
2023-10-12 20:12:01 ソフトウェア
GoogleドキュメントからEPUBを出力する方法をご紹介します。
見出しのついたドキュメントを準備すれば、Save as DAISYと同じような手順で、見出しナビゲーションができるEPUBを、簡単に出力することができます。
製作手順
1、まず、Googleドキュメントを開いて、見出しのテキストに、見出しスタイルを付けます。
見出しとなるテキストを選択してから、ヘッダー上部のテキストのスタイルを選択するタブが「標準」となっているので、プルダウンメニューで「見出し1」「見出し2」などに変更します 。
見出しがついたドキュメントのサンプルを下記リンクに置きました。
2、ブラウザからGoogle にログインして、Googleドキュメントを選択します。
3、「ファイル選択ツールを開く」をクリック
4、「アップロード」をクリックして、準備したWordファイルをドラッグします。
5、ファイルが開いたら、「ファイル」メニューから、「形式を指定してダウンロード」で「EPUB Publication (.epub)」を選択します。
これで完成です!
ダウンロードフォルダにepubファイルができるので、EPUBの閲覧システムで開けます。
EPUBの閲覧システムの例(以下のものはすべて無料で使用できます)
Thorium Reader:https://www.atdo.jp/1396#playback_thr
DAISY/EPUB再生ソフト。合成音声による読み上げと、見出しやセンテンスのナビゲーションができます。
EasyReader: https://www.atdo.jp/1396#playback_winer
DAISY/EPUB再生ソフト。合成音声での読み上げと、見出しやセンテンスのナビゲーションができます。
Bibi: https://www.atdo.jp/1396#playback_bibi
ブラウザで開くことのできるEPUB再生アプリです。Microsoft Edgeのスクリーンリーダーで読み上げできます。
MSWordの見出しスタイルのつけ方は、次のとおりです。
見出しにあたるテキストを選択して、MSWordの「ホーム」の「スタイル」で、該当する見出しスタイルを適用します。
2022-10-21 14:36:02 ソフトウェア
DAISYコンソーシアムの「Reading Systems Accessibility Support Roundup」ページで、
アクセシブルなリーディングシステムのアップデート情報やレビューがまとめられています。
https://inclusivepublishing.org/rs-accessibility/(英語)(2022年7月に更新)
また、リーディングシステムの最新のアクセシビリティ テストの詳細結果は、同じくDAISY コンソーシアムによってサポートされている
epubtest.orgページで確認することができます。
紹介されているリーディングシステム一覧
・Amazon Kindle
・Apple Books
・Colibrio Reader
・Digital Editions
・Dolphin EasyReader
・Kurzweil 3000
・Play Books
・RedShelf
・Simply Reading
・Texthelp Read&Write
・Thorium Reader
・Vital Source Bookshelf
・Voice Dream Reader
M.A
2021-12-09 16:48:58 教育
【ご案内】
DAISY教科書ご利用のみなさまや保護者の皆様、
支援者の皆様にご案内申し上げます。
東京都では、
小中学校、特別支援学校や地域社会における
特別支援教育をより充実させるために、
「東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画(素案)」
に対する、意見を募集しています。
---------------------------------------------------
▼詳細ページ
「東京の特別支援教育の充実に向けて~東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画(素案)~」
について皆様の意見を募集します
▼募集期間
令和3年11月25日(木曜日)から令和3年12月25日(土曜日)まで
▼子供たちからの意見募集のページ
---------------------------------------------------
「東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画(素案)」
東京の特別支援教育の充実に向けて(概要)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/11/25/documents/09_01.pdf
東京の特別支援教育の充実に向けて(本文)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/11/25/documents/09_02.pdf
東京の特別支援教育の充実に向けて(わかりやすい版)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2021/files/release20211125_02/doc_05.pdf
M.A
2021-01-12 15:46:17 教育
2020年12月15日(火)ATDOスタッフの野村、川村、池福の三名で狛江市立狛江第三小学校学校図書館を訪問しました。当日は学校司書の青木和子先生より学校図書館の役割や、学校でのデイジー教科書導入の様子、またデイジー図書へ触れた際の子どもたちの様子等についてお話をお聞きすることができました。
「デイジー図書は一般的な資料として多くの人(児童・保護者)に存在を知ってもらうべき資料だと考えています。読みに困難を抱える状況は、誰にでも起こりうることだからです。読みの初期段階を支える学校図書館だからこそ、読む方法には選択肢があるということを、児童・保護者に伝えていく必要があります。自分の状況に応じて、自分で自由に選択できる環境が大切だと思います。」という、青木先生の言葉がとても印象に残りました。
そして、その言葉通り、図書室では、読む支援の工夫が見られました。たとえば、読んでいる場所がひと目でわかり、読みやすくなるリーディングトラッカー(写真➀)やDAISY図書を聞くコンピュータ(写真②)が置かれたコーナーが備えられています。ATDOでも、現在『地域連携』と題して、デイジー図書体験会などを通したデイジーの普及活動を開催すべく始動しています。デイジー図書の存在を必要としている方々へ少しでも届いていくよう、取り組んでいきたいと思います。
写真➀(リーディングトラッカー)
写真②(デイジー図書を聞くコンピューター)
【I.I】
2020-05-01 11:58:00 教育 DAISY/EPUB情報
東京女子大学の前川あさ美先生が公開している「発達のアンバランスさをもった子どもと家族のために」のDAISY版を作成いたしました。
短縮版(日本語):http://www.atdo.sakura.ne.jp/files/DAISY/covid/honbun_CBE.zip
短縮版(英語):http://www.atdo.sakura.ne.jp/files/DAISY/covid/honbun_eng_CBE.zip
短縮版補足資料(日本語):http://www.atdo.sakura.ne.jp/files/DAISY/covid/hosoku_CBE.zip
短縮版補足資料(英語):http://www.atdo.sakura.ne.jp/files/DAISY/covid/hosoku_eng_CBE.zip
再生ソフト(ChattyBookExpress)も同梱してます。zipファイルをダウンロードして、展開してから、フォルダ内にあるエグゼファイル(ChattyBookExpress.exe)をダブルクリックすると再生します。
参考:ChattyBookExpressの使い方
https://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/book/daisytext_pod.html#ChattyBookExpress
ぜひご活用ください。
G.M
2024-03-04 15:34:12 関連催しのお知らせ
弊機構の河村副理事長が登壇するオンラインイベントをご紹介します。
近年頻発している想定外、想定以上の大災害において、防災と減災の見地から特に弱い立場にある人たちを考えての対策が必要です。東日本大震災を経験し障害を持つ人たちの働く場と地場の水産加工品の販路拡大を目的に設立されたシャロームいしのまきさんが、この問題を当事者研究の発想から考えるための、チャリティオンラインイベントを企画しました。司会はシャロームいしのまき理事長の向谷地生良さん、講師は共生地域創造財団理事長の奥田知志さんと、弊機構副理事長の河村です。
詳細は主催者配布のチラシPDFからご覧ください。
【シャロームいしのまき 3.11を語り継ぐ「チャリティーオンライン・イベント」】
チラシPDFファイルはこちら:20240311_CharityOnlineEvent_shalom-ishinomaki.pdf
K.K
2024-01-16 09:52:35 関連催しのお知らせ
2023年12月10日に弊機構の河村副理事長および野村事務局長が講演者として登壇した「日本デジタル教科書学会」主催研究会「教科書バリアフリー法施行から15年目のDAISY教科書」の動画が、字幕付きで公開されました。以下のYouTubeリンクからご覧いただけます。
2023/12/10 日本デジタル教科書学会研究会「教科書バリアフリー法施行から15年目のDAISY教科書」【字幕付与】
(YouTubeリンク)https://www.youtube.com/watch?v=cXwyAEB6fZc
2023-11-13 18:23:42 関連催しのお知らせ
日本障害者リハビリテーション協会主催で12月16日に開催されるオンラインセミナーのご案内です。以下主催者より提供いただいたチラシからの内容です。【趣旨】
当協会では、発達障害児者向けに、児童書、小中学校の教科書、教科書の副読本、障害者白書、大人向けの図書などさまざまなデジタル図書マルチメディアデイジー 図書※を製作することで、発達障害児者の読書環境の整備に貢献してまいりました。
一方で、専門家、地域の支援者と協力しながら、筋委縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなど全身性の障害により在宅療養を余儀なくされている方々向けに、マルチメディア デイジー図書製作講習を実施しております。健康に配慮した作業環境の工夫、リモートによるサポート、それぞれの障害に対応したソフトの改良等により、重度の障害のある 方が 製作に参加できることを実証いたしました。
製作者の方々からは、主としてサポートされる側であった自身が、発達障害児者のために役立つ活動に参加できる喜びの声や働ける喜びの声が上がっています 。そこでこの度、誰も取り残さない「SDGs※※」への取り組みとして、これまでの実績を踏まえながら、マルチメディアデイジー図書を 利用して頂いた方と製作者の意見交換の場を設けることと致しました。
報告会では、障害のある方ご自身に、製作にあたっての想いや働く喜びを、具体的な製作実績を踏まえて語っていただきます。あわせて、今後の有効な支援への提言等も含め、関わった支援者や専門家からもご報告をいただきます。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。
※マルチメディアデイジー図書とは、読むことが困難な方々のためのアクセシブルな国際標準のデジタル図書のこと。
※※SDG sとは、国連、持続可能な開発目標のこと。
2024-03-19 18:04:09 国際
DAISYコンソーシアムのニュースレター「DAISYプラネット」(不定期での配信)が配信されました。
日本語に翻訳した記事をご紹介します。
DAISY Planetニュースレターへようこそ!DAISYコンソーシアムニュースレターの配信を希望されている方は、このページをご覧ください。もし、受信方法を変更したい場合は、このページの下にリンクがあります。
電話で読書?プリント・ディスアビリティの方たちにオーディオブックを届けるために、試行錯誤を重ねた方法が世界中に数多く存在していますが、インドのデリーにある全国盲人協会による新しい試験サービスは、シンプルな電話を通してオーディオコンテンツを届ける仕組みを模索しています。
貧困地域における読書のアクセシビリティの障壁新しいDAISYの記事は、開発途上国におけるアクセシブルなフォーマットのリソースの製作と利用において直面するいくつかの課題を評価し特定するための進行中の調査について、中間結果を紹介しています。 この記事では、トレーニングや政府支援の不足とともに、現地語の技術サポートといった基本的な問題が挙げられています。DAISYと私たちのパートナーが、これらの大きな障壁に対処するために取り組んでいる方法のいくつかが紹介されています。
Adobe InDesignの新しいアクセシビリティ機能メインストリームのブックデザインの主要ツールとして世界的に使用されているAdobe InDesignの最新アップデートには、同アプリケーションから書き出される電子書籍のアクセシビリティ向上が含まれています。DAISYメンバー、招待された有識者の友人、DAISYスタッフで構成されるBetter EPUB from InDesignワーキンググループから提供された専門的なアドバイスのおかげで、アドビは、アプリケーションから作成されたファイルのアクセシビリティを改善するための実用的な勧告の恩恵を受けました。これは素晴らしい前進であり、InDesignからのEPUB出力を継続的に改善するための一連のアップデートの最初のものであることを願っています。
DAISYコンテンツの韓国語変換サービスBOINITが開発した新しい変換サービスでは、専用のオンラインサービスを使って韓国語のWord文書をDAISYフォーマットに変換することができます。現在、この地域の5つの団体がこのシステムを利用しており、大きな成果を報告しています。
モンティエン・ブンタン氏を偲ぶ
タイの上院議員であり、障害者支援者であったモンティエン・ブンタン氏の逝去は残念でなりません。彼は、数々の功績の中でも、DAISYコンソーシアムの初期において重要な役割を果たしました。彼のご家族とご友人の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。
彼の人生と功績については、THAI.NEWSの記事「ブンタン上院議員を偲ぶ」をご覧ください。
CSUN Assistive Technology Conferenceは、多くのDAISY会員を含む世界中の聴衆を魅了する世界最大級のATイベントです。DAISYはここ数年、会議資料のアクセシブルフォーマット制作に携わってきましたが、今年は初めてマイクロソフト社のAzure AIボイスを使用し、DAISYフォーマットとEPUBテキストと音声版会議資料の両方を制作しました。大会参加者からのフィードバックを楽しみにしています。
クイックリンクその他の記事とリソース
DAISYガイダンスの更新
その他のイベントはDAISYカレンダーに掲載されています。
あなたの意見とニュースを聞かせてください。私たちの活動を形成するために、あなたの提案やフィードバックをぜひお聞かせください。また、私たちは、あなたのニュース、イベント、開発について世界のDAISYコミュニティと共有したいと常に考えています。 詳しくは news★daisy.org(★を@に変えてください) までご連絡ください。
つながりを維持...DAISY関連の活動や業界の動向をいち早く知るために、直接メーリングリストへの登録をご検討ください。また、世界的な出版業界のアクセシビリティの進展に焦点を当てた、インクルーシブ・パブリッシングのニュースレターにもご興味があるかもしれません。
Copyright 2024 DAISY Consortium, All rights reserved
翻訳は以上となります。何かお気づきの点がございましたら、翻訳は以上になります。何かお気づきの点がございましたら、お問合せフォームまでご連絡ください。K.K
2024-03-11 16:34:30 国際
DAISYコンソーシアムが運営するInclusive Publishingウェブサイト2月ニュースレターの翻訳を掲載します。
2024年2月ニュースレター
インクルーシブ・パブリッシング・ニュースレター2月号へようこそ。アクセシブルな出版に関連する最新ニュースをお届けします。他の方々と共有するための開発や、この定期ニュースレターを皆様にとってより適切なものにするための方法について、皆様からのご意見をお待ちしております。
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NNELSサミットのハイライトはディスカバリー・デモ
毎年恒例のNNELSアクセシブル・パブリッシング・サミットが1月末にトロントで開催され、相変わらず有益で実り多いものとなりました。NNELSアクセシビリティ・テスト・チームによるユーザー・デモンストレーションは常に目玉であり、今年も例外ではありませんでした。私たちの概要記事では、テスターがさまざまな状況において、さまざまなプラットフォーム上でコンテンツの検索、発見、ダウンロード、アクセス、利用のプロセスを実演したセッションを紹介しています。
アクセシビリティを編集プロセスに組み込む
アクセシブルな本を作るために、出版チェーンに関わるすべての人が果たすべき役割があります。クリエイター、出版社、そして消費者までもが、執筆と読書の世界における包摂性の文化を強く求めることができます。アクセシビリティの専門家であるローラ・ブレイディは、アクセシブルなコンテンツをすべての読者が利用できるようにするために、出版ワークフローの初期段階で何が必要かを掘り下げています。
InDesign最新リリースにアクセシビリティの新機能が追加
最近のバージョン19.2(2024年2月)へのアップデートでは、InDesignからのアクセシブルEPUBの書き出しを改善する新機能が導入されました。DAISYはBetter EPUB from InDesignワーキンググループの一員として、さらなる改善とアップデートに専門的なアドバイスを提供しています。
アクセシビリティの旅をサポート
DAISYコンソーシアムは、アクセシブルな出版物を提供するためのツールやソリューションを出版業界に無料で提供しています。私たちは、アクセシブルコンテンツの障害となるコストを排除するため、無料で提供しています。
しかし、これらのツールやサービスを維持することは、決して安くはありません。したがって、私たちは、あなたや他の人々がこれらのリソースの恩恵を受け続けることができるように、これらの重要なリソースの維持を支援することをお願いしております。
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今後のイベント
以下のイベント情報は、インクルーシブ・パブリッシング・イベントのページでご覧いただけます。
3月
ロンドン・ブックフェア2024 - 英国、ロンドン
ロンドン・ブックフェアは、常に私たちの包括的な出版関係者が興味を持つ数多くのイベントを開催しています。
今年は特に以下が興味深いです。
CSUN 2024 - アナハイム(カリフォルニア州)
CSUN ATカンファレンスは、国際的な聴衆を集め、支援技術分野の最新動向を紹介する世界最大級のイベントです。この会議では、読者が興味を持つようなプレゼンテーションやセッションが数多く行われます。
Microsoft Ability Summit - オンライン
この1日限りの無料デジタル・イベントは、障害者、アライ、およびイベントで学習機会を提供するアクセシビリティ・リーダーを称えて開催されます。よりインクルーシブな文化を想像し、構築する方法に興味がある方に、このイベントでは、最先端のアクセシブルなテクノロジー、共感と脆弱性の実話、アクセシビリティがどのように組織内の全員に力を与えるかについてのソート(thought)・リーダーシップ・ディスカッションへの独占的な参加などを提供します。
児童出版社のためのアクセシビリティ・メタデータ - オンライン
Canadian Children's Book Centreのメタデータ専門家であるアマンダ・リーが、アクセシビリティ・メタデータとは何か、メタデータはどこにあるのか、なぜ重要なのか、そしてアクセシビリティ・メタデータがあなたとあなたの児童書のために何ができるのかについて説明します。
また、アクセシビリティ・メタデータをワークフローに組み込む方法についても説明します。
4月
ボローニャ国際児童図書展2024 - ボローニャ
今年で7回目を迎えるボローニャ国際児童図書展は、世界中の児童出版社に刺激と興奮を与え続けており、常にアクセシビリティに重要な焦点が当てられています。読者の皆様にとって特に興味深いのは、LIA財団が主催する専門家セミナー "アンドロイドは画像の素晴らしい代替記述の夢を見るか?"です。このイベントでは、AIと画像の代替記述との出会いの世界を、この分野の専門家の見識とともに探ります。
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リンクと記事
私たちは、インクルーシブ・パブリッシング・コミュニティにとって興味深いリンクのリストを以下にまとめました。
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アクセシビリティのヒント
リンクを識別し、一貫して扱う。異なる場所につながる2つのリンクがあるにもかかわらず、リンクテキストが同じであれば、ユーザーを混乱させることになります。同様に、同じURLにつながるリンクに、異なるリンクテキストを使わないこと。
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地域社会の最新情報
私たちのインクルーシブ・パブリッシング・コミュニティに参加し、コンテンツが誰にとってもアクセスしやすいものであるようご協力ください。皆様からのご意見やご経験をぜひお聞かせください。インクルーシブ・パブリッシングに関する技術的、非技術的な記事、業界のニュースや発言、イベント情報、意見などをお待ちしています。
また、サイトを改善するためのアイデアもお待ちしています。このサイトをどのようにご活用いただけるか、ご意見をお聞かせください。ご意見・ご投稿はoffice@inclusivepublishing.org までお寄せください。
良き友であれ
このニュースレターが友人や同僚に興味を持ってもらえると思ったら、一人で抱え込まず、ぜひ伝えてください!さらに良い方法は、inclusivepublishing.org/newsletterに登録することです。
最後に、ツイッターで@InclusivePubをフォローし、業界の最新情報を入手することをお忘れなく。
翻訳は以上になります。何かお気づきの点がございましたら、お問合せフォームまでご連絡ください。K.K
2024-03-04 11:45:09 国際
JICAから委託を受けて行っている本事業は、SENADI(エクアドル国家知的所有権機関)をはじめとする現地カウンターパート機関と協同で、エクアドル国における著作物のアクセシビリティを向上させることを目的として活動しています。
現在、ATDO職員1名が、JICA専門家として第3回目の派遣でエクアドル現地に滞在し、国内職員および現地職員とともに、SENADIによる中・長期計画の策定を支援しています。
2024年2月26日には、エクアドルのアンバト大学(Facebookページはこちら)で関係者会議を行いました。
写真1 :左から3人目がアンバト大学学長。
全国大学図書館ネットワークの中核でもあるアンバト大学と、SENADIおよびJICA(ATDO)関係者が、著作物のアクセシビリティの向上に関してのアンバト大学の今後の展望等について、意見交換をしました。
写真2:アンバト大学の校旗の前でSENADIおよびJICA(ATDO)関係者の記念写真。
数年前から重ねてきた努力が近々実現される見通しがたちました。
以上
E.T/G.M/K.K
2023-11-14 11:44:30 その他
北海道浦河郡浦河町の「べてるの家」(https://urakawa-bethel.sakura.ne.jp/)では、精神障害等を抱える当事者が地域活動に取り組みながら生活しています。ATDOは、精神障害に伴う様々な情報支援ニーズを特定し支援技術に反映させることを目的に、DAISY利用や避難訓練などの取り組みで浦河べてるの家と協働しています。
今回4年ぶりに浦河での対面開催となったべてるの家の「当事者研究全国交流集会」「べてるまつり」に参加しました。イベント前後の見学の様子も含めて、レポートします。
「べてるの家」朝ミーティングへの参加(10月13日)
浦河べてるの家で毎朝行われているという、8時半からの「朝ミーティング」に同席させてもらいました。このミーティングにはべてるの家で生活する障害等当事者(以降、メンバー)と、支援職員(以降、スタッフ)が全員参加します。「名前、今日の体調、今日の目標」を一人ずつマイクで発表し、最後にスタッフから今日の連絡事項がありました。
べてるまつりのために研修・手伝いで来ている学生や私も含めて、すべての参加者がマイク発表をしました。べてるの家のメンバーとスタッフが垣根なくコミュニケーションしている様子、メンバー同士でもお互いに助け合っている様子などを見ることができました。
第20回当事者研究全国交流集会北海道・浦河大会(10月13日)
「当事者研究」という支援技法が、障害当事者についてはもちろんのこと、障害当事者以外にも困りごとがある人にとって、とても有意義なものであることが感じられました。色々な人の研究発表を見ることができ、このような捉え方があるのか、と参考になりました。困りごとをユーモラスに客観視している研究は、とても面白かったです。子どもが当事者研究をしているものもありました。
午後の分科会では、自由に6部屋に分かれて、各部屋内で、講師のもと、出席者全員が当事者研究に参加しました。
日頃お世話になっているべてる理事の方がファシリテーターに入っておられるという理由で私が参加した分科会のテーマは「楽しい老後と終活 ―お~い老い―」でした。お話上手な講師の方(べてるの家メンバー)、ゲストの早坂潔さん(べてるの家メンバー:副理事長)、向谷地生良さんの3名の老いについての思いを聞いた後、参加者それぞれが目指す老後について、4人1組のグループで雑談し、グループごとに発表しました。ファシリテーターが、発表内容をホワイトボードに書き出してまとめていきました。ホワイトボードも参考にしながら、発表内容についての感想や意見を募る中で、さらに共感を呼ぶ感想や、思いもよらない価値観(「嫌われる老人になりたい」)がでてきました。講師の方の老後の心配事(周りに嫌われないで老後を過ごしたい)を打ち消してしまいそうな(嫌われる老人でいい)というアイデアを、ファシリテーターはイラストで「困難に立ち向かう姿勢ではなく、柳のように受け流す」と分かりやすく表現してくれました。
私自身はまだ老いに関心がなく、当初は場違いなテーマに参加してしまったと思っていましたが、最後はとても楽しく前向きな気持ちになりました。
第31回べてるまつり in 浦河 (10月14日)
『メイン講演 映画「北の流氷(仮)」への思い ゲスト田中光敏監督』
浦河町出身の田中光敏監督が、砂漠化した襟裳岬の山と海を植林で取り戻した人々の実話を、映画化するそうです。北海道4町(襟裳、様似、広尾、浦河)が管掌を超えて共同して映画に協力し7年間の準備期間を経て、来年クランクイン予定とのことでした。会場からの質疑応答の中で田中監督からは次のようなお話がありました。「募金やエキストラ出演など、地元の人々の協力をお願いしたいです。浦河べてるの家のメンバーの方々にも是非にエキストラなどご協力いただきたいと思っています。人と自然の共生がテーマの映画です。自分たちの町を自分たちの手で守る人々の話でもあり、日本だけではなく世界でも普遍的なテーマであると思います。主演は皆さん全員が絶対に知っている俳優となる予定なので楽しみにしていてください。」
『地域の魅力、再発見 〜それぞれの取り組み〜』
いちご農家のみなさん、飲食店、フレンド幼稚園など地域の事業者の協力を得ながらべてるの家の皆が頑張っているとのことで、地域活動の紹介がありました。
午後は、べてるの家メンバーの「劇団ぱぴぷぺぽ」による劇「ありがとう」からはじまり、べてる1年の報告、幻覚&妄想大会の表彰式を経て、閉会しました。メンバーひとりひとりの特性と個性、ネガティブな面も含めて温かくユーモアを持って認め合っている様子が「べてる」なのだなと感じました。
[写真:メンバーたちによる閉会の合唱の様子。]
浦河町ひがし町避難訓練 参加(10月15日)
浦河町には、メンバーが居住する住居が点在しています。べてるまつりの翌日に、町内で一斉の避難訓練が行われるということで、ひがし町在住のメンバーが住居から避難場所に移動する際のサポート(同行)をしました。
実際に屋外で防災無線のサイレンが鳴ってからの避難行動開始となります。サイレンが鳴った後に住居から出てこないメンバーがおり、スタッフが迎えに行きました。屋内で食洗器を使用していたためにサイレンの音が分かりにくかったそうで、避難行動開始のときの課題のひとつと思われます。
防災訓練自体には、町や消防署の方々の想定(20-30人)を超える、100名近い町民の方々が参加されていました。町民の防災意識の高さを伺えました。
最後に
浦河にスタッフとして出向しているATDO職員と一緒にイベントの休憩時間等を過ごしましたが、両日とも、イベント中も合間の休憩時間中も、スタッフからメンバーの方に積極的に声掛けをされていて、温かい雰囲気を感じることができました。イベント期間中に周りの方とお話する機会も多々ありましたが、後からのスタッフの説明でメンバーであることが分かるなど、見た目では精神障害の有無が分からない方がほとんどでした。精神障害を持っている方々と身近に過ごせたのは新鮮な経験でした。
個人的な感想になりますが、べてるまつりを通して、いままでは知らなかった精神障害の方々の苦労を知ることができました。彼ら/彼女らは大変な苦労を抱えている普通の人なのだということが分かり、また、苦労とともに人生を重ねてきているすごい方たちだとも思いました。私自身が何となく持っていた、精神障害の方は近寄りづらいという印象が、今回の出張でなくなったと思います。このような交流の機会がもっといろいろな人にあるとよいと感じました。
2023-09-13 10:33:15 その他
ダスキン愛の輪基金の委託を受け、日本障害者リハビリテーション協会が実施している「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」第22期研修生の研修レポートが公開されました。
ATDOはその中で2名の研修生の受け入れに携わりました。インドネシア出身のMaudita Zobritania(ゾーさん)と、フィリピン出身のJasmin Centeno Ambiong(ジャスミンさん)に、2022年7月にDAISY/EPUB製作研修を行いました。
愛の輪基金のサイト(https://www.ainowa.jp/)上で研修報告書が公開されています。彼ら/彼女らが、日本での研修を終えて得た学びや思いをご覧ください。
ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 第22期研修生報告書
PDF版
https://www.ainowa.jp/library/kensyu/pdf/trainee22_j.pdf
テキスト版
https://www.ainowa.jp/library/kensyu/data/trainee22_j.txt
2023-07-31 09:52:18 その他
この度、2023年7月15日付で弊機構の事務所が下記の通り移転いたしました。
あわせて電話番号も変更になりましたので、お知らせ申し上げます。
・新住所
〒182-0024
東京都調布市布田2-7-4-1002
・新電話・FAX番号
TEL:042-485-0611
FAX:042-485-0611
英語表記
・New Adress
2-7-4-1002, Fuda, Chofu-Shi, Tokyo, Japan 182-0024
・New TEL Number・New FAX Number
TEL:+81-42-485-0611
FAX:+81-42-485-0611
どうぞよろしくお願いいたします。
ATDO事務局一同