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IFLA WLIC 2023 in ロッテルダム(2023年8月21日~25日)参加報告

2023-12-01 16:51:14  国際

野村美佐子

オランダのロッテルダムで開催されたIFLA図書館情報会議(WLIC)に参加してきました。今年のテーマは、「Let’ Work Together, Let’s library」でした。以下、その報告をいたします。


LPD主催によるサテライトミーティング

 WLIC会議前には、8月18日と19日にサテライトミーティング(事前会議)が、プリントディスアビリティのある人々に対する図書館サービス分科会(LPD)の主催により開催されましたので参加しました。テーマは、「コラボレーション」、「実行可能なステップと好事例」、そして「アクセシブルなコンテンツの発見可能性」でした。3つ目について、進行中の研究について発表されましたが、今後の取り組みが気になるところです。また、2024年に施行する欧州アクセシビリティ法への準備について欧州の参加者に聞きましたが、あまり具体的な意見を聞くことができませんでした。DAISYコンソーシアムの会長であるオランダのMarthin Verbonは、出版社にボーンアクセシブルな出版の方法を教えていきたいと思っているとのことでした。

サテライトミーティングの看板


アジア・オセアニア地域部会

 本会議は、8月21日からですが、私が所属するアジア・オセアニア地域部会が20日にあり、参加しました。IFLAの体制が新しくなってから2年ごとに選挙があり、今年、2期目の選挙がありました。任期はWLIC後に始まりますので1期目の委員、2期目の継続委員と新規委員が部会に参加していました。私は、2期目もアジア・オセアニア地域部会の委員として活動します。

上記委員会の集合写真


LSNセッション

 以前私が所属をしていたIFLA/特別なニーズのある人々の図書館サービス(LSN)が開催するセッションに講演者として参加しました。このセッションのテーマは、「図書館はどのようにして誰にとってもアクセシブルで歓迎する場となるのか」でした。私は、ここ2年程、図書館のアクセシビリティガイドラインの作成に取り組んでいたので、その内容について話しました。今ガイドラインは、IFLAに提出をしており、その承認を待っているところです。 このセッションの講演者のペーパーは、以下のサイトを参照してください。

https://iflawlic2023.abstractserver.com/program/#/details/sessions/215


筆者のプレゼンの様子

他の講演者との集合写真


LPDセッション

 プリントディスアビリティのある人のインクルーシブな図書館サービスを取り上げ、利用者、専門図書館、公共図書館、製作者、法的視点など、様々な視点からパネルディスカッションが行われました。DAISYコンソーシアムのマーティン会長も参加してのディスカッションでした。
パートナーシップを強調されていたのが印象的でした。

パネルディスカッションの様子(右端がマーティン氏)


アジア・オセアニア地域部会主催のセッション

 自然災害に取組む図書館サービスの事例発表でした。防災の取り組みは日本にとっても重要な取り組みです。講演者の発表後、グループに分かれて、災害における図書館の役割、その事例などについてディスカッションを行いました。とても重要なテーマだと思いました。

セッションの様子


図書館見学ツアー

 中等教育学校と小学校の図書館、そして学校図書配送センターを見学しました。国の読書推進プログラムを地域の公共図書館が担っています。学校図書館においては、地域の公共図書館における学校支援があります。訪問したモンテッソーリスクール(小学校)では、公共図書館からのリーディングコンサルタントと学校ボランティアに案内してもらいました。リーディングコンサルタントという言葉に非常に興味を持ちました。オランダが読書についてとても重要視していることが感じられました。

モンテッソーリスクールでの説明の様子


さいごに

 来年のWLICは、Dubaiで開催されるという案内が閉会式でありましたが、ホスト国より撤回されました。そのため来年は残念ながらWLICはありませんが、代わりとなるイベントを企画中であるとのことです。

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