メインコンテンツへスキップ
ATDO

特定非営利活動法人 支援技術開発機構

ユニバーサルデザインと支援技術で実現する知識と情報の共有

当サイト内を検索できます。
お問い合わせ
Facebook

エジプト アインシャムス大学でワークショップを行いました。

2023-12-20 16:02:11  会議・講習等報告

小澤彩果

11月29日、エジプト公民館のMr. Mohamed の全面協力の元、アインシャムス大学のDr. Mai、Dr. Samarに協力していただき、アインシャムス大学で「Giving a presentation on DAISY and sharing My story」というワークショップを開きました。「My story」とは、ディスレクシア当事者である作者・小澤のディスレクシア(読字障害)についての経験をまとめたマルチメディアDAISY版のエッセイです。ワークショップには特別支援や学校教育について学ばれている教育学部の学生さんと大学教授の方々に参加していただきました。

当日まで対象者などがわかりませんでしたので最初の予定とは変わってしまいましたが、初めにアラビア語版の「My Story」を再生し、その内容を通して、これまで私が困難を感じていたところと、また、それらをどのように克服してきたかについて、共有しました。皆さん、おのおの写真を撮ったり、メモをしたり、真剣に聞いてくださりました。

その後プレゼンテーションで、「My Story」で伝えきれなかった部分についての補足説明をしました。エジプトで今まで会った方たちへ説明してきた内容を、今回のために整理したスライドを使って、ディスレクシアについての体験をしてもらいながら、説明しました。また今後の展望についても、述べました。

そのあと質疑応答があり、ディスレクシアの見え方に関してや、DAISYの使い方についての質問がありました。
私が印象に残った質問として、1つ挙げられるのは、「日本でどのようにDAISYが普及しているのか?」という質問です。私は、日本では日本障害者リハビリテーション協会とボランティアの協力により、DAISYの教科書が製作されており、かなりの利用者に普及しているがまだすべてではないことを話しました。続いて「今回、講演会をしてみての今の気分についてどのように感じているか。」という質問がありました。その質問に対し私は、正直な気持ちで次のように答えました。「これまで様々な場所で講演を行ってきたが、このような講演会だけでは、実際の導入までに至らない。一人ひとりに寄り添った支援が必要であり、その体制づくりが必要になってくる。そのため、講演を行うことではなく、日本でそのような動きができるように環境も整いつつあるので、そちらの方に力を入れていきたい」という思いを伝えました。また、今後エジプトで、そのような機会があるのであれば、関わりたいことを述べました。

講演後、私が印象に残った質問をしてくださった学生が、困っている子供たちに是非DAISYを利用したいと言ってくれました。今回エジプトに来て、私の思いを継いでくれる学生さんたちと出会えて、今後、困難を抱えている人たちがもっと生きやすい世界になる第一歩にすることができたのではないかと感じました。

エジプトに来た当初は、エジプトの国内状勢等を全く知らず、右も左もわからない中、ただ、日々が過ぎていき、毎日、私ができることを考えさせられる日々でした。 私の思いをエジプトの将来を考えていく皆様に伝えられたことは、今回の大きな収穫になったと私は信じています。 今後も、皆様とできる限り繋がりを持って、DAISYを広めることだけでなく、障害が障害と感じなくなる社会を作っていけるように尽力できればと思います。

最後に、今回参加してくださった皆様にお会いできて本当に有意義なエジプト滞在ができたことを感謝します。 また、少し恥ずかしかったですが、学生さんたちからワークショップ後、セルフィーを撮ってほしいと頼まれ、少し有名人になったような気分で、私の思いが届いて、認められたことを感じることができました。 これからの未来を作っていく学生さんたちには、是非この機会があったことを忘れず今後の人生を歩んでもらえたら、嬉しいです。

今回の機会を作ってくださったATDOの皆様、エジプト公民館のMr. Mohamed、参加ご尽力いただいたアインシャムス大学の皆様には、本当に感謝しております。 ありがとうございました。今後も皆様と繋がりが続いていくことを心から願っております。


集合写真:ワークショップの参加者との写真撮影


ワークショップ:小澤の発表の様子


ワークショップ:Yasmineの発表の様子

先頭に戻る


Copyright © 2024 ATDO
お問い合わせ